特集 臨床現場での脳・脊髄連関
特集にあたって
安藤 哲朗
1
1安城更生病院神経内科
pp.605
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200167
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脳と脊髄は一続きの中枢神経であり,また頭蓋内から脊柱管内へ連続した脳脊髄液に接している.脊髄の病気をみるときに,脊髄だけをみていては病態がわからないことがあり,頭蓋内の病変も視野に入れて初めて全体の病態が理解できる場合がある.また,逆に脳疾患と思われる症候が,実は脊髄に原因があることがある.
頸椎症の鑑別診断の講演で,一側の上肢遠位部麻痺だけを呈する症例が実は大脳皮質の小梗塞のことがあるという話をしたら,整形外科の先生方がすごく驚いておられ,演者のこちらのほうがびっくりしたことがある.脳と脊髄を両方みている脳神経外科医,神経内科医は脳・脊髄連関を意識して診療をしているが,整形外科の医師は脳の病気にはあまりなじみがないのかもしれない.
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