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特集 脊椎脊髄の冠名徴候・症候群
Ⅰ.冠名徴候
第1章:錐体路障害の徴候
手指屈筋反射—Wartenberg反射,Trömner指現象,Hoffmann徴候
Finger Flexor Reflex
本田 英比古
1
Hidehiko HONDA
1
1本田英比古クリニック
1Honda Hidehiko Clinic
キーワード:
Hoffmann徴候(Hoffmann sign)
,
Trömner指現象(Trömner finger phenomena)
,
Wartenberg反射(Wartenberg reflex)
Keyword:
Hoffmann徴候(Hoffmann sign)
,
Trömner指現象(Trömner finger phenomena)
,
Wartenberg反射(Wartenberg reflex)
pp.261-263
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200068
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はじめに
手指屈筋反射とは,手指屈筋群に認める筋伸長反射(muscle stretch reflex)で,手指屈筋群が引き延ばされることにより手指が屈曲する反射である.反射中枢は第6頸随〜第1胸髄5)といわれており,第7頸髄〜第1胸髄6),あるいは,第8頸髄〜第1胸髄1)との記載もある.いずれにしろ第8頸髄優位といわれている.歴史的に,少なくともBingの“Kompendium der topischen Gehirn-und Rückenmarksdiagnostik”(第14版,1953年)では病的反射として紹介されており,特に,本書の日本語翻訳書は少なくとも1978年頃まで販売されていたこともあり,本邦では長らくBabinski反射同等の病的反射との誤解があった.確かに,健常者では認めにくい反射であり,Wartenberg(1945)6)は気まぐれな反射と表現し,Bingの英語版(第15版)2)では潜在的反射と記載され,平山は『神経症候学 改訂第二版』3)にて,非恒常的反射と表現している.“DeJong's Neurologic Examination”(第7版)1)では,従来の版同様,後述するWartenberg反射は腱反射の項で,Trömner指現象,Hoffmann徴候は病的反射の項で概説している.
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