Japanese
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特集 リハビリテーション医学の基礎―神経生理学の進歩
反射
Reflex.
鈴木 俊明
1,2
,
才藤 栄一
3
Toshiaki Suzuki
1,2
,
Eiichi Saitoh
3
1関西鍼灸短期大学神経病研究センター
2藤田保健衛生大学医学研究科
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
1Research Center of Neurological Diseases, Kansai College of Oriental Medicine
2Post-graduated Course, School of Medicine, Fujita Health University
3Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Fujita Health University
キーワード:
反射
,
伸張反射
,
緊張性頸反射
Keyword:
反射
,
伸張反射
,
緊張性頸反射
pp.515-520
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109245
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はじめに―反射とは
反射とは,統合された神経活動の最も基礎的な単位であり,一般的に「入力」,「統合」,「出力」という要素で成立している.「入力」は感覚受容器と求心性線維からなり,「出力」は遠心性神経と効果器からなる.そして,「統合」は反射中枢により行われる.従来,反射はこれらの伝達経路要素が決定していて,他の器官の影響を受けることは少ない,という印象が強かったが,近年の研究により,より複雑で常に他の神経系からさまざまな影響を受けることがわかってきた.
反射の種類は多く,専門領域の違いにより臨床評価で用いる反射は異なる.脳血管障害片麻痺患者の評価に用いる反射では,錐体路障害を表現する病的反射,筋トーヌスの程度とよく相関する腱反射が必須となる.一方,脳性麻痺患者の評価ではこれらの反射も重要ではあるが,さらに,発達段階評価を行うために原始反射の有無をみる必要がある.
ここでは,脊髄反射のひとつで運動制御に重要であり,筆者らが特に興味をもっている伸張反射と,脊髄より上位に中枢を有する反射の代表例である緊張性頸反射について,最近の知見を含めて概観する.
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