Japanese
English
特集 Spinal dysraphism—最近の知見
総論
Spinal Dysraphism—Overview
下地 一彰
1
,
原 毅
1
,
尾原 裕康
2
,
宮嶋 雅一
1
,
新井 一
1
Kazuaki SHIMOJI
1
,
Takeshi HARA
1
,
Yukoh OHARA
2
,
Masakazu MIYAJIMA
1
,
Hajime ARAI
1
1順天堂大学医学部脳神経外科
2新百合ケ丘総合病院脊椎脊髄末梢神経外科
1Department of Neurosurgery, Juntendo University
キーワード:
脊椎癒合不全症(spinal dysraphism)
,
脊髄髄膜瘤(myelomeningocele)
,
脊髄脂肪腫(spinal lipoma)
Keyword:
脊椎癒合不全症(spinal dysraphism)
,
脊髄髄膜瘤(myelomeningocele)
,
脊髄脂肪腫(spinal lipoma)
pp.82-87
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200023
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
21世紀に入り15年が過ぎ,医療の分野では目覚ましい進歩がみられている.MRIなどの診断機器の進歩,手術手技の進歩,手術機器や手術支援機器の進歩,さらには分子生物学的手法を用い今まで理解されていた病気の病態がまったく別の側面から理解され始めている.Spinal dysraphismに関しても同じことがいえる.脊髄髄膜瘤の出現率が葉酸の摂取により低下する事象について分子生物学的レベルで知見が深まっている.出生前MRIの診断技術の進歩が出生前診断の精度を高め子宮内手術が開始され,その有用性が明らかになってきている.また,手術もさまざまな手術方法が構築されてきたが,最近では積極的な手術が長期成績において良い結果をもたらすという報告も出てきている.本稿では,Spinal dysraphismの領域において近年進歩してきた事項に関して総論的に述べていくこととする.
Spinal dysraphismは一次のみならず,二次神経管,また脊索の発生過程の異常によって生ずるさまざまな疾患の総称である.これらさまざまな疾患は,それぞれの発生機序から分類すると理解しやすい.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.