Japanese
English
特集 回復期リハビリテーションと作業療法
回復期リハビリテーション病棟における高次脳機能障害者に対する作業療法戦略
Occupational therapy strategies for survivors with cognitive impairments in convalescent rehabilitation wards
熊谷 将志
1
,
伊堂寺 友紀子
1
,
坂田 祥子
1
Masashi Kumagai
1
,
Yukiko Idoji
1
,
Sachiko Sakata
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
pp.391-394
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203765
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:高次脳機能障害者や家族,医療者が感じている高次脳機能障害の症状や課題は?
Q2:回復期リハビリテーション病棟における作業療法戦略とは?
Q3:高次脳機能障害者に対する作業療法介入の実際は?
はじめに
脳卒中後の高次脳機能障害は,長期にわたって高率に存在することが知られており,3カ月で39%,1年で35%,2年で30%,3年で32%とする報告もある1).また,高次脳機能障害の合併は,死亡や障害重症度2),手段的日常生活活動3),生活の質3),インフォーマルケアを受ける可能性3),うつ症状3)等の不良な長期的帰結との関連が示されている.その一方で,脳卒中発症1年後の高次脳機能障害の改善は,施設入所の少なさ,Barthel IndexおよびFrenchay Activities Indexにおける障害の少なさとの関連が報告されており1),高次脳機能障害がリハビリテーションの帰結に影響を及ぼしていることが示唆される.
回復期リハビリテーション病棟入院中や退院後の地域生活を見据えたうえで,高次脳機能障害を有する人がその人らしい生活を送ることができるよう支援するため,取り巻く課題を整理し,戦略的な作業療法を展開していくことは作業療法士の重要な役割の一つである.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.