Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:医療的ケア児支援センターの役割とは?
Q2:医療的ケア児等コーディネーターとは?
Q3:地域ネットワークを構築するためには?
はじめに
医療的ケアを必要としながら地域で暮らす子どもたちの数は全国で約2万人いるとされている(図 11)).そうした子どもたちと保護者を支えるために,国や自治体に必要な対応を求める法律「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」,いわゆる「医療的ケア児支援法」が2021年(令和3年)9月18日に施行された.この法律には5つの基本理念が位置づけられ,国や自治体が支援措置を講ずることが「責務」とされた.また,“医療的ケア児及びその家族の相談に応じ,また情報提供若しくは助言”,“医療,保健,福祉,教育,労働等に関する業務を行う関係機関等への情報提供及び研修”等を行う医療的ケア児支援センターの設置を求めた(図 22)).
福岡県は,人工呼吸器による呼吸管理や喀痰吸引等が恒常的に必要な医療的ケア児(以下,医ケア児)と,その家族を総合的に支える「医療的ケア児支援センター」(以下,医ケア児支援センター)を,2022年(令和4年)4月に福岡県糟屋郡新宮町の「県こども療育センター新光園」内に開設した.社会福祉士と看護師,保健師資格をもつ3名の常勤相談員と医ケア児支援に経験豊かな非常勤相談支援専門員(看護師)を配し,さまざまな相談を一元的に受けるワンストップ型窓口として活動している.また,本体の医療型障害児入所施設機能を医ケア児支援に有効に活用するため,こども療育センター新光園地域連携課職員を一部兼務職として配し,協働できる体制も確保している.
福岡県では60市町村すべてにおいて医療的ケア児の実数調査が行われているわけではなく,推計値として示されている(表3)).福岡県は総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターが数多く設置されており,今後医ケア児の地域移行はさらに進むと予測される(図 34)).
こうした背景から医ケア児とその家族が地域で暮らすための医療,福祉,保育,教育の連携と医療や就労,暮らしの場の確保等成人移行期の地域環境の整備が重要となる.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.