巻頭緊急企画 明日はどっちだ?「総合診療専門医」
荒涼とした大地に芽は出るのか。それでも、耕し種をまこう。
山田 哲也
1
1岩手県立中部病院 総合診療科
pp.13
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200723
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東北の総合診療医育成をとりまく環境は厳しい。当地岩手県は、北海道に次ぐ広さ(四国と同等)で、人口当たりの医師数は全国でも最低レベルだ。人口が分散しており、集約化も難しい。医療圏をまたぐには1〜2時間以上かかるため、緊急手術が必要な大動脈解離・重症多発外傷・重症熱傷など以外は、それぞれの医療圏でほとんど完結させる必要がある。そのため、外科やメジャー内科など救命のための診療科の各医療圏への配置は必須だが、それでさえ常にギリギリ。基幹病院であっても救急専任の医師は望むべくもなく、マイナー科は不足があって当たり前。どの医師も全科救急の当番を課せられる。当然、専門各科の疲労と不満は大きく、常に医療崩壊の一歩手前だ。
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