Japanese
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特集 内部障害のある人の生活支援と作業療法の実践
呼吸器疾患患者に対する作業療法士の役割とその実践例
The role of occupational therapists in patients with respiratory diseases and examples of their practice
山口 卓巳
1,2
,
田口 真衣
1
,
小林 正樹
1
Takumi Yamaguchi
1,2
,
Mai Taguchi
1
,
Masaki Kobayashi
1
1神戸市民病院機構 神戸市立医療センター西市民病院
2神戸大学大学院保健学研究科 パブリックヘルス領域
pp.1118-1124
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203534
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Key Questions
Q1:呼吸器疾患患者に対して作業療法士はどのような役割を果たせるか?
Q2:呼吸器疾患患者のADL評価において着目すべきポイントは?
Q3:呼吸器疾患患者特有の介入のポイントは?
2008年度(平成20年度)の診療報酬改定により,「呼吸器リハビリテーション料」が作業療法でも算定可能となった.『作業療法白書2021』1)によると,身体障害領域における対象疾患で最も多いのは脳血管障害であり,次いで骨折,呼吸器系疾患であった.呼吸器系疾患は,同白書20152)では第5位であったことから,OTの担当機会が増加傾向にある分野といえる.一方で,呼吸療法に関する認定資格である3学会合同呼吸療法認定士の受験資格に2014年(平成26年)からOTが追加されているが,2023年(令和5年)3月時点でその医療資格別認定者数の割合は,PT 38.1%に対しOTは4.8%と明らかに少ない.実際に臨床現場のOTからは,呼吸器疾患に対しどのように介入したらよいかわからない,自信がないといった声をよく聞く.本稿では,呼吸リハの概念を基に,OTの視点で呼吸器患者に対するかかわりについて概説する.なお,できるだけ難しい表現は控え,呼吸器患者の担当経験の浅いセラピストでも臨床場面を想定しやすい言葉を用いるよう心がけた.
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