Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:心臓リハビリテーションとは?
Q2:循環器疾患作業療法士の役割とは?
Q3:作業療法の対象となる循環器疾患患者はどのような方々か?
はじめに
2021年(令和3年)に調査された「人口動態統計」1)では,死因の第2位が心疾患(14.9%),第4位が脳血管疾患(7.3%),同年の「救急救助の現況」2)によると,救急搬送数では循環器疾患が最も多く,高齢者率が高い.循環器疾患は加齢に伴い増加する疾患であり,高齢化が進む本邦では循環器疾患患者への対応は重要な課題である.これらを踏まえ2019年(令和元年)に「循環器病対策基本法」が施行,2023年(令和5年)には「循環器病対策推進基本計画」3)が改定された.リハビリテーションの項目では,社会復帰という観点を踏まえつつ,日常生活動作の向上,生活の質の維持向上を図るため,早期からの継続的なリハビリテーションを実施,再入院を繰り返す患者に再発・再入院予防の多職種による疾病管理プログラムが重要とされ,課題としては急性期から回復期および維持期・生活期まで患者状態に応じた一貫したリハビリテーションの提供等の取り組みが挙げられている.その中で,われわれOTは患者の状態に応じ日常生活活動(activities of daily living:ADL)や手段的日常生活動作(instrumental activities of daily living:IADL),活動と参加を支援する専門職種として有用性や有効性に期待が寄せられている.しかし,「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料」4)では,「心大血管疾患リハビリテーション料」を算定している施設の会員数は5%と心疾患患者に関与するOTが少なく,十分に作業療法が提供できているとは言い難いのが現状である.実際に現場からは「対象となる心疾患患者はどのような患者?」,「心疾患患者に対して何をしたらいいかわからない?」等の声を耳にすることがある.そこで本稿では,循環器疾患に対する作業療法の役割を振り返り,これまでの報告から作業療法介入の手掛かりを検討することとした.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.