The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 16, Issue 10
(October 1982)
Japanese
English
特集 難病のリハビリテーション
難病患者に対する作業療法士の役割
Occupational Therapy for Patients with Chronic Long-term Diseases
市川 和子
1
Kazuko ICHIKAWA
1
1東京都立神経病院
1Tokyo Metropolitan Neurological Hospital.
pp.683-688
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102714
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
難病という言葉は相当にポピュラーになっているが,その概念は政治的にこれこれの疾患について経済的負担を国が肩替りしますよというものである.医学の分野では,いわゆる難病という分類はみあたらず,文献的に検討してみても的を射ないのが現状である.
厚生省や東京都で指定した難病のうち,しばしば当院のOT患者リストに乗ることの多い脊髄小脳変性症(以下SCDという),パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症(以下ALSという)の疾患についてOTの役割を示し,かつ在宅診療の実態についてもふれたいと思う.3疾患はそれぞれに異なった臨床像と,異なった経過を示すが,作業療法が対象とする障害は大よそ次のものと考えられる.
1)日常生活動作の問題
2)身体機能障害における問題
3)心理的問題
4)職業前における問題
5)家事遂行における問題
6)余暇の過し方における問題
以上の項目について,症例検討を含めながらOTの役割を考えてゆきたい.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.