増刊号 急性期における疾患別作業療法
第4章 がん,NICUの作業療法
6 NICUにおける作業療法
渋間 勇人
1
,
森 直樹
2
Hayato Shibuma
1
,
Naoki Mori
2
1社会福祉法人 恩賜財団 済生会山形済生病院
2山形県立保健医療大学
pp.946-951
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203483
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はじめに
新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)の医療・ケアでは,早産(在胎37週未満出生)および低出生体重児(出生2,500g未満児)らの後遺症なき生存(インタクトサバイバル)を目指している.わが国の早産・低出生体重児の救命率は諸外国との比較でも世界トップクラスとなっている1).しかし,NICUの入院児の中には,将来,脳性麻痺,知的能力障害,学習障がい(限局性学習症)等の発達障がい(神経発達症)になる児も少なくない.特別支援教育の対象となる児童が増えている原因ともいわれている.諸外国では,NICU入院中から退院後の外来フォローアップまで,一貫した早期支援を実践している報告が散見される2).本増刊号は,「急性期における疾患別作業療法」をテーマとしているため,NICUでの支援に焦点を当てて述べるが,NICUでの作業療法の本質は長期的なフォローアップにあり,フォローアップ体制の構築までが重要である.なお,本報告で使用する図などの掲載にあたっては,症例家族に説明のうえ同意を得ている.
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