5 肺がんの作業療法

肺がんの疫学

　日本において肺がんの死亡者数は，すべてのがんの中で最も多く，2021年（令和3年）の報告によると7万5,532人である．5年相対生存率は34.9％と，肺がんは予後不良で難治性である^1）．しかし近年，従来の細胞障害性抗がん薬以外に分子標的薬〔チロシンキナーゼ阻害薬（tyrosine knase inhibitors：TKI）〕や免疫チェックポイント阻害薬（immune checkpoint inhibitors：ICI）の登場で肺がん患者の予後が改善し，長期生存の可能性が示されはじめている^2）．