Japanese
English
特集 NICUからのリハビリテーション
NICUにおける作業療法の役割
Role of occupational therapy in NICU
行 功一郎
1
,
大野 七海
1
,
深尾 圭翔
1
Koichiro Yuki
1
,
Nanami Ohno
1
,
Kensho Fukao
1
1JA愛知厚生連安城更生病院リハビリテーション室
1Department of Rehabilitation, Anjo Kosei Hospital
キーワード:
NICU
,
Family-Centered Care
,
共作業
,
Co-occupation
,
愛着支援
,
あそび
,
ポジショニング
Keyword:
NICU
,
Family-Centered Care
,
共作業
,
Co-occupation
,
愛着支援
,
あそび
,
ポジショニング
pp.587-594
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203132
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はじめに
安城更生病院(以下,当院)は,2010年12月に三河地域中核の総合病院として総合周産期母子医療センター(以下,センター)を開設した.主に西三河地域を対象とし,早産児や低出生体重児,重症新生児仮死,染色体異常などの児が入院している.新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)において,医師から処方された児に対して,理学療法士や作業療法士は発達評価やポジショニングを中心に介入している.NICUにおいては,「家族は単なる面会者ではなく医療チームの一員として,医療者と情報を共有し,子どものケアや意思決定への参加を積極的に推奨する家族中心のケア」1)として,Family-Centered Care(FCC)の理念が重要視されている.当院でもセンターにおいて,多職種でFCCのかかわりを行っている.
本稿では,NICUにおける作業療法の役割について説明する.筆者は,NICUの作業療法として重要と考えていることが2点ある.1点目は,Pierceが提唱する共作業(Co-occupation)2)の概念である.作業療法士は,NICUという環境のなかで,児と両親のかかわりを共作業と捉えて,早期から児と両親の愛着支援を行う役割を担っている.2点目は,児に合わせた環境であそびを提供し,よりよい介入を開拓していくことである.
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