Japanese
English
特集 整形外科疾患の回復期リハビリテーション
高齢者の整形外科疾患と認知症
Orthopedic Diseases and Dementia in the Elderly
都築 圭太
1
,
森 直樹
1
Keita Tsuzuki
1
,
Naoki Mori
1
1医療法人社団輝生会 初台リハビリテーション病院
1Hatsudai Rehabilitation Hospital
キーワード:
フレイル
,
周術期認知機能障害
,
せん妄
,
認知症の周辺症状
,
認知症ケア技法
Keyword:
フレイル
,
周術期認知機能障害
,
せん妄
,
認知症の周辺症状
,
認知症ケア技法
pp.531-539
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202826
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背景
日本において高齢人口の急激な増加が進んでおり,2021年時点で高齢化率は28.9%と超高齢社会となっている.今後も高齢化は進み,2025年には30%,2065年には40%近くまで増加すると推測されている1).高齢化の波はリハビリテーション医療の現場にも大きな影響を及ぼしており回復期リハビリテーション病棟協会の報告によると,回復期病棟が制度化された2000年度より患者の平均年齢は7歳ほど上昇している.特に整形外科疾患による入院患者の平均年齢の上昇は顕著であり80歳を超えている2).
高齢化に伴い,回復期リハビリテーション病棟に入院する整形外科疾患患者においても原疾患のみならず心・腎機能障害や糖尿病,がんなどさまざまな病態を抱えている現状がある.その中でも認知症(本稿では認知症の中核症状の認知機能障害も同義として扱う)は多くの高齢者に併存する重要な病態である3).厚生労働省の報告では回復期リハビリテーション病棟入院患者の約33%の患者に認知機能障害があるとされている4).また回復期リハビリテーション病棟の整形外科疾患患者における認知症の合併の割合が約40〜46%であったとの報告もある5).高齢化に伴い,認知症を合併する整形外科疾患患者は今後さらに増加していくことが予想される.本稿では高齢者の整形外科疾患の入院原因として最も一般的な傷病である大腿骨近位部骨折を例に挙げ,合併症としての認知症との関連性や実際の現場での対応方法などについて解説していく.
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