Japanese
English
症例報告
脳卒中片麻痺後重度痙縮に対しITB療法とリハビリテーションの併用によりADL向上と介護負担軽減に至った1症例
Improved of activities of daily living and reduced of caregiver burden by combine use of Intrathecal Baclofen Therapy to rehabilitation for post-stroke hemiplegia with sever spasticity: a case report
小野 修
1
,
渋間 勇人
1
,
江川 廉
1
,
齋藤 佑規
2
,
竹村 直
2
Osamu Ono
1
,
Hayato Shibuma
1
,
Ren Egawa
1
,
Yuki Saito
2
,
Sunao Takemura
2
1社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生病院リハビリテーション部
2社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生病院脳神経外科
1Department of Rehabilitation, Yamagata Saisei Hospital
2Department of Neurosurgery, Yamagata Saisei Hospital
キーワード:
脳卒中
,
痙縮
,
ITB療法
,
介護負担
Keyword:
脳卒中
,
痙縮
,
ITB療法
,
介護負担
pp.777-782
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202016
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要旨 【目的】脳卒中片麻痺患者に対し,バクロフェン髄腔内投与療法(intrathecal baclofen therapy;ITB療法)後,リハビリテーションの経過を含めた報告は少ない.今回,重度痙縮を呈した脳卒中片麻痺患者に対しITB療法施行後,リハビリテーションの併用により,歩行能力および日常生活動作(activities of daily living;ADL)が向上し介護負担軽減を認めた症例を経験したため報告する.【症例】68歳女性.診断名は右被殻出血,左片麻痺.生活期に痙縮が増悪し,歩行能力およびADL低下より家族の介護負担増加を来した.痙縮治療目的で山形済生病院に入院し発症627日目にITB療法が施行された.【臨床経過】術後,体幹・非麻痺側肢への影響なく痙縮軽減を認め,随意運動改善,関節可動域拡大,疼痛軽減を認めた.また,継続的なリハビリテーションにより歩行能力およびADL向上を認め,家族の介護負担軽減も得られた.【結語】脳卒中片麻痺症例に対するITB療法は,体幹・非麻痺側肢に影響なく痙縮軽減に有効であり,リハビリテーションの併用による運動機能改善が示され,介護負担軽減も望めることが示唆された.
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