増刊号 急性期における疾患別作業療法
第3章 急性期の運動器疾患の作業療法
9 肺移植後の作業療法実践
百武 光一
1
,
齊田 和哉
1,2
,
髙島 千敬
3
,
井上 雅史
1
,
鎌田 聡
1
,
白石 武史
4,5
Koichi Hyakutake
1
,
Kazuya Saita
1,2
,
Kazunori Takashima
3
,
Masafumi Inoue
1
,
Satoshi Kamada
1
,
Takeshi Shiraishi
4,5
1福岡大学病院
2広島大学大学院医系科学研究科
3広島都市学園大学
4福岡大学病院 臓器移植医療センター
5福岡大学
pp.908-914
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203476
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はじめに
本邦では1997年(平成9年)に「臓器の移植に関する法律(臓器移植法)」が施行され,法的に脳死患者からの移植が可能となった.1998年(平成10年)の肺移植プログラム開始以来,1,039件〔2022年(令和4年)12月31日現在〕の肺移植が実施されている(図 1).本邦の肺移植後生存率は,生体肺移植の5年および10年生存率(2022年12月31日現在)が,それぞれ73.5%,62.1%,脳死肺移植が73.9%,62.6%である(図 2)1).肺移植後の生存率は海外に比して良好であり1,2),肺移植術後の生存率改善に伴い,肺移植前後のリハの重要性が高まっている.
本稿では,肺移植術前後の障害像から概説し,当院をはじめ肺移植登録施設の,急性期から退院後の生活を見据えた作業療法実践および支援方法について,実例を含め紹介する.
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