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Key Questions
Q1:神経難病患者が利用できる福祉サービスは?
Q2:介護保険サービスと障害福祉サービスの違いは?
Q3:神経難病患者に対するチームアプローチは?
はじめに
わが国の難病対策は,昭和40年代のスモン(subacute myelo-optico-neuropathy:SMON)の発生をきっかけに,1972年(昭和47年)に「難病対策要綱」が策定され,その中で難病対策として取り上げるべき疾病の定義や範囲が定められ,総合的な対策が開始されることとなった.
その後,難病研究の進展とともに対象範囲の拡大が図られるが,医療費助成の増大等の課題に対応するため,2015年(平成27年)に「難病の患者に対する医療等に関する法律」いわゆる「難病法」が施行される.この法律の施行から医療費助成の対象とする疾患は指定難病と呼ばれることになり,この時点で110疾病が対象となる.現在,指定難病は338疾病までに拡大し,長期的な治療を必要とする患者にとっては大切な支援となっている.
その中で,本稿のテーマである神経難病患者は,症状の進行により全身の運動機能や感覚が障害されるため,医療的ケアに加え,食事,更衣,排泄,入浴,移動等,生活行為の多くが制限されることによる介護が必要となる.
このような中,2000年(平成12年)に介護保険制度が施行され,一部の難病患者も介護サービスが利用できるようになった.そして,2013年(平成25年)に施行された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」では難病患者も障害福祉サービスが利用できるようになる等,今日では在宅医療や福祉サービスをうまく利用しながら在宅生活を送れる環境が整ってきている.
本稿では,神経難病患者の在宅生活に必要な福祉サービス,特に障害福祉サービスを中心に,制度や利用できるサービスを紹介するとともに,活用ポイント等についてもお伝えしていきたい.
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