特集 ポリオ
ポリオ対策—行政の立場から
岩永 俊一郎
1
1北海道衛生部保健予防課
pp.22-25
発行日 1960年12月10日
Published Date 1960/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202226
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今夏北海道に多発したポリオは,伝染病として届出を義務づけられてから,記録に残されたもののうち最大の発生であり,わが国においても特筆される出来事ではないかと思う.発生の数からいえば,昭和24年に500名の届出がなされているが,死者についていえば,昭和22年に70名の記録が残されている.しかし現在流行しているそれは,8月3日現在をもつてすでに患者1404名,死者においては89名に達しており,流行の地域あるいは規模においても,はるかに過去の記録を凌駕するものであることは明らかである.
今この経験にかんがみ,この流行に対処した者として,行政にたずさわる者の立場から,今後ポリオ対策の参考にもなればと思い,本稿を書くことにした.
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