特集 昭和40年度看護教育研究会夏期講習会集録
シンポジウム
医療制度の現状と将来像
行政の立場から
曽田 長宗
1
1国立公衆衛生院
pp.43-44
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905945
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●看護教員養成機関の経緯
私のお話は最初に「行政の立場」というようなことで,広くいろいろな問題に触れてみろとのことでございましたが,ご承知のように私もただいまは公衆衛生院の方に移っており,行政の当の責任者ということではございませんので,幾分自由な立場で話させていただきたいと思います。
いちばんはじめに,私が直接関係しておりますことをちょっと申し上げますと,みなさんご承知だと思いますが,昭和27〜28年ごろミス・ヒルと申しましたか,WHOのコンサルタントの方が,日本の看護の状況および看護教育の状況を視察しいろいろなアドバイスをする目的でみえたことがあったのです。そのときに,当時の日本の看護教育のいわゆるbottleneck,ちょうどそのあい路になっているところは,いろいろ教育機関,教育施設を増設していってもけっきょく教員が足りない。教員を正式に作り出していく機関というものが日本に抜けている。これがいちばんのあい路ではなかろうか。その問題をとりあげるならば,WHOからさらに数年間滞在してご援助するものを送ろう。文部省厚生省がよく相談をして,教員養成機関を作ったらよかろうということになりました。
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