特集 超高齢時代のリハビリテーション評価
各論 医療の各フェーズにおけるリハビリテーションの現状と課題
介護老人保健施設におけるリハビリテーション指標と課題
東 憲太郎
1
,
大河内 二郎
1
1全国老人保健施設協会
キーワード:
介護老人保健施設
,
リハビリテーション
,
認知症の評価
,
残存能力の評価
Keyword:
介護老人保健施設
,
リハビリテーション
,
認知症の評価
,
残存能力の評価
pp.515-520
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211450
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■介護老人保健施設の機能と求められる評価指標
介護老人保健施設(以下,老健施設)とは,リハビリテーション(以下,リハビリ),食事・排泄・入浴・就寝・健康管理などの日常生活の介護を通して,自宅での生活に復帰できることを目標にする施設である1).このため週2回の個別リハビリが必須で,施設類型が在宅強化型以上の老健施設では週3回以上の個別リハビリが行われている.これに加え,入所後3カ月はさらに短期集中リハビリ,および認知症短期集中リハビリがある.また,いつでも日単位で入所できるショートステイがあり,ここでは毎日個別リハビリを受けることができる.さらに老健施設は,訪問リハビリ,通所リハビリ,前述のショートステイも提供できる.
このように老健施設には充実したリハビリ環境があるため,本来利用者の生活機能の変化を2〜3カ月単位で把握できるような鋭敏なリハビリ指標が求められる2).また,老健施設の対象者は,心身機能のうち,身体機能のみ,認知機能のみ,に問題がある高齢者,あるいはどちらともに問題がある高齢者がおり,自立から寝たきり状態まで極めて幅が広い方が対象である.さらに障害の原因は,アルツハイマー型認知症のような精神疾患から,脳梗塞,糖尿病などさまざまな疾患が関係しており,疾患に依存しない評価の仕組みが求められる.
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