Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Key Questions
Q1:「共生型のデイサービス」だからできることは何か?
Q2:生きる力を引き出す作業や活動とは?
Q3:「やってみたい」,「行ってみたい」,「生きてみたい」と思わせる仕かけとは?
はじめに
弊社は,児童福祉法における(医療的ケア児を含む)重症心身障害児対象の児童発達支援と放課後等デイサービス(①),障害者総合支援法による(医療的ケアを含む重症者)生活介護(②)と自立訓練(機能訓練)(③),そして介護保険法における通所介護(④)と共生型地域密着型通所介護(⑤)の3法5部門の事業を一つの平屋の建物の中で運営しています(図 1).
「共生・多機能型デイサービス」という施設名の通り,現在の利用者は2〜90歳代までの方々で,自ら動くことが難しい方や重い高次脳機能障害を抱えた方,進行性の疾患の方,医療的なケアを必要とされる方など,地域では受け入れ先を探すことに苦労するケースも可能なかぎり受け入れています.
「共生」というと,どのような年代の方々も,どのような疾患の方々も同じ空間でワイワイ,ガヤガヤ楽しく過ごす,というイメージがありますが,弊社の場合は,そのような空間をつくることは目的ではありません.「障害者」と「健常者」,「障害福祉」と「介護保険」という無意識の壁をなくしていくために,「出会う場」→「知る機会」→「興味をもつ」→「わかり合う」という物理的・心理的な共生の仕組みをつくることが目的でした.
同じ施設内であっても,児童,障害,介護の空間を分けることで,専門性や個別性を担保しつつ,行き来を自由にし,過ごしたい場所で過ごせる時間を設けられるように設計しました.そうすることで,年齢や疾患,生活スタイルが異なる方々,ひいては働くスタッフたちの視野を広げ,私の作業療法としての考え方も広げることとなりました(図 2).
このような中で,当初は想像していなかったコラボレーションが実現し,老年期の方々の生きがい,役割が生まれていきました.今回はその内容をお伝えします.
Copyright © 2022, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.