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特集 成人期・壮年期・老年期の障害福祉領域における作業療法の活用
—成人期(18〜39歳)の障害福祉領域における作業療法②—混じり合いを生む作業
Occupation that creates a mixture
宮崎 宏興
1,2,3
Hirooki Miyazaki
1,2,3
1特定非営利活動法人いねいぶる
2T-SIPたつのソーシャルインクルージョンプロジェクト
3大阪大学大学院医学系研究科老年看護研究室
pp.1039-1043
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203124
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Key Questions
Q1:混じり合いが生まれる視点とは?
Q2:多様な多世代が混じり合う取り組みとは?
Q3:障害福祉サービスの礎となる「普通の世界」とは?
普通の世界
成人期は,具体的に自分の将来を意識し,日々,自分自身や社会からの期待に応えるべく,さまざまな活動を通じて日常を整えていこうとする時期である.同時に,今後の見通しの立てづらさから,同世代の暮らしぶりと自分を比べて焦りやすい時期でもあり,この時期にある対象者は,病気や障害と向き合って,将来に向かってチャレンジしたい気持ちと,疾患や障害の背後に隠れて,今のライフスタイルをもう少しだけ続けたい気持ちとがシーソーのように行ったり来たりすることも,踏まえておかなければならない.
何らかの疾患や機能障害を抱えると,大抵の場合,それまでの自分と社会の「普通」が揺らぎはじめ,次第に自分への疑いが生じ,自信が薄らいでいく.そして,無理をしないこと,福祉サービスの組み合わせで仕立てられた生活で満足すること,極力他人に迷惑をかけずに自分のことは自分でできること等,ゆっくりと時間をかけ,非日常の生活が日常化し,揺らぎが固定化されていく.
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