上腕能動義手の汗・蒸れの不快感に対して登山用アンダーウエアを用いて作製したインナーウエアの紹介

Hydrophobic and quick-drying inner wear can eliminate discomfort inside socket of functional upper extremity prosthesis

はじめに

　上腕能動義手における使用中止や使用頻度低下の理由として，重い，ハーネスが煩わしい，首もしくは肩が痛くなる，装着が面倒，が報告されており^1），装着による不快感が理由であることも多い．今回，草刈り時の義手内の汗・蒸れに対する不快感を訴える患者を担当する機会を得た．患者に対し，登山時に用いられる疎水性・速乾性に優れたアンダーウエアを主な材料に作製した義手用のインナーウエアの使用を促すことで，これらの不快感を軽減することが可能であった．以下にインナーウエア作製の経過と作製方法および結果について報告する．