Japanese
English
調査
片側上肢切断に対する能動義手処方結果の検討
Follow-up Study of Single Upperlimb Amputees with Body-powered Prostheses.
小林 一成
1
,
米本 恭三
1
,
大橋 正洋
2
,
高橋 茂
2
,
森田 千晶
2
,
岡村 昌美
2
Kazushige Kobayashi
1
,
Kyozo Yonemoto
1
,
Masahiro Ohashi
2
,
Shigeru Takahashi
2
,
Chiaki Morita
2
,
Masami Okamura
2
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
2神奈川リハビリテーション病院
1Department of Rehabilitation Medicine, Jikei University School of Medicine
2Kanagawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
上肢切断
,
能動義手
,
アンケート調査
,
リハビリテーション
Keyword:
上肢切断
,
能動義手
,
アンケート調査
,
リハビリテーション
pp.985-991
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107981
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はじめに
上肢切断は,機能的および心理的に重大な変化を患者に余儀なくするため,その代償を義手に求める切断者は多い.しかし,従来よりわが国においては,装飾用義手の処方は多いものの,能動義手はあまり積極的に処方されない傾向があり,中島1)によれば,能動義手処方は全義手処方のわずか5.3%であったという.
現在のところ道具としての能動義手は,機能的に本来の手の機能のわずかな部分しか代償できないばかりか,外観,通気性,重量などにも問題があり,切断者がそれでも便利と感じて選択するか否かにより使用率は変化する.そしてわが国の能動義手処方がない理由として,仮に能動義手を処方しても使用しなくなる症例が多いため,とも言われるが,諸外国では能動義手を処方された人の7割以上が継続して使用しているとの報告2,3)もあり,わが国の医師や関連専門職の能動義手に対する認識不足と理解の欠如も大きな問題として考えられる.そしてこれは,上肢切断者のリハビリテーションが適切に行われていないわが国の現状をも反映していると思われる.
しかし一方,われわれが渉猟しえた範囲では,わが国における能動義手について,その使用頻度,使用状況,問題点などについての詳しい報告は見当たらない.神奈川リハビリテーション病院では1973年の開院以来,上肢切断者に対して積極的に能動義手の作製および装着訓練を行ってきた.そこで今回われわれは,能動義手を処方し,十分に義手装着訓練を行った片側上肢切断例について,診療録およびアンケート調査により検討し,退院後の能動義手の使用頻度,使用状況,問題点などについて考察したので報告する.
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