増刊号 こんなときどうする? 運動器の作業療法ナビ
第4章 地域・在宅支援
3 整形外科疾患と自動車運転関連支援
大場 秀樹
1
,
武原 格
1
Hideki Oba
1
,
Itaru Takehara
1
1東京都リハビリテーション病院
pp.880-885
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203076
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はじめに
近年,リハ領域では脳損傷者を中心に自動車運転支援を実施する施設が増え,研究や実践の報告が盛んになっている.そして,そこには多くのOTが関与しており,運転再開支援における多職種チームの中で核となっている.
OTが運転支援に関与した歴史を振り返ると,諸先輩から,1970年代辺りからオートマチック車(以下,AT車)の普及に伴い,脳卒中片麻痺者の運転再開への対応や脊髄損傷者や切断者の移動手段の拡大のための自動車運転習得にかかわってきたとご教授いただいた.そして,中村ら1)による三肢切断者のための自動車運転用操舵装置の開発に関する論文を皮切りに,1980年代よりOTによる運転支援の報告2〜5)がされはじめた.昨今は整形外科疾患への運転支援の報告は少ないが,各医療機関で特長を活かした取り組みが行われている.
本稿では,整形外科疾患の自動車運転について,基本的な事項や疾患別の支援を述べる.
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