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特集 作業療法はロボットとどう向き合っていくか
介護ロボットの開発支援におけるニーズ・シーズ連携と作業療法士のかかわり
The role of occupational therapists for cooperation of needs and seeds in development of nursing robots for welfare sites
東 祐二
1
Yuji Higashi
1
1国立障害者リハビリテーションセンター
pp.512-517
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202988
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Key Questions
Q1:介護ロボットとはどのようなシステムか?
Q2:ニーズ・シーズ連携とは何か?
Q3:介護ロボット開発プロセスで作業療法士が果たせる役割とは?
はじめに
今日のテクノロジーは,ICT(情報通信技術)を中心に目覚ましい進展を遂げ,社会実装されている.一方,2000年(平成12年)の介護保険制度の施行に伴い,居宅サービスに位置づけられた福祉用具も進化した技術を実装し,要介護者の自立と介護の支援に活用されている.また,介護現場の人手不足は深刻な社会問題化1)しており,介護ロボット等のテクノロジーを活用したサービス提供による負担の軽減や業務の効率化が重要な課題として取り組まれている2).テクノロジーの活用により,心身に負担の少ない介護を実現することはもちろんのこと,被介護者の自己実現等の生きがいにつながるような介護を目指すことに寄与することが期待される.
このような背景の中,リハ専門職であるOTは,対象者の自立支援を目標とした環境調整の観点から,人と機器の適合を図る技術を有している.これは,作業療法の得意とする領域であり,介護ロボットの効果的な普及に寄与できる技術と考えられる3).また,介護ロボットを活用することで新たに生じた機器や現場の課題の抽出と対策を行うとともに,必要に応じて開発側へ提案する役割も担えると考えられる.
ここでは,介護ロボット機器の開発に向けたニーズ側とシーズ側の連携プロセスを通じて,リハ専門職であるOTの役割や働きかけについて概説する.
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