特集 訪問作業療法はこれでいいのか?
コラム:—訪問看護師の立場から作業療法士へ期待すること—作業療法士と看護師の連携のポイントと課題
上妻 裕弥
1,2
1株式会社ビジケア
2株式会社NEXT HOPE
pp.452-453
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202498
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はじめに
2021年度(令和3年度)介護報酬改定では,看護師の訪問看護費は上がるもPT等の訪問看護費は下がる結果となった.訪問看護を利用する住民のニーズはどのようなものか.「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査」(厚生労働省)の複数回答可能なアンケートでは,看護師が要支援者に訪問した目的のうち,「ADLの維持・低下防止」を含めた回答が28.6%,要介護者に至っては36.6%もの方が看護師の訪問の目的に「ADLの維持・低下防止」を含めた回答をしている.昨今,社会保障費の増加に伴う財政圧迫が問題視されており,予防的支援に関しては地域での活動やボランティア等での方針になっており,健康予防から専門職が能力を発揮する機会が減ってきている懸念点もあると筆者は考える.持続可能な制度を確立するためにも,OTの専門性を発揮し,効率的に効果を発揮することでも制度の安定性・持続可能性の確保に一歩近づくことができるのではないか.
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