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特集 老年期(高齢者)と精神疾患
老年期(高齢者)と身体症状症—老年期の身体症状症と作業療法
Occupational therapy in patients with late-life somatic symptom and related disorders
長島 泉
1
Izumi Nagashima
1
1杏林大学
pp.332-338
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202056
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Key Questions
Q1:身体症状症とはどのような疾患か?
Q2:老年期の身体症状症の特徴とは?
Q3:老年期の身体症状症患者を対象とする作業療法とは?
はじめに
「身体化(somatization)」とは精神障害が身体症状として表現されること1)であり,原因不明で多彩な症状を呈する.身体症状症とは,米国精神医学会による精神障害の診断と統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition:DSM-5)2)において初めて登場した名称である.
一般的に老年期は若年世代よりも,心身の機能低下により能力低下や不調を感じやすい.さらに,子が自立し家を離れる,身近な人が亡くなる等,さまざまなかたちの喪失を体験することによって,孤独や病,そして死を身近に感じるようになる.そのため,老年期の身体症状症は,その他の世代とは異なる特徴があり,特有の配慮や支援が必要である.
なお,本稿で用いる「身体症状症」は,DSM-5の「身体症状症および関連症群」2)を示す用語として用いることとした.また,文献を参照する際には,文献で用いられていた名称を使用した.
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