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北陸の地,金沢にて2019年11月21日(木)〜22日(金)の2日間にわたってリハビリテーション・ケア合同研究大会が開催されました.テーマには「響生〜チームで奏でる保健・医療・福祉のハーモニー〜」が掲げられ,特定医療法人社団勝木会理事長 勝木保夫先生が大会長を務められました.少子化や人口減少といった問題を抱える社会において,地域包括ケアシステムの構築が進んでいる中で地域住民が地域で生活をし続けていくためには,「自助」,「互助」,「共助」,「公助」が重要であるといわれています.響生というテーマには,これら4つの「助」に対して,患者・利用者とサービス提供者の心が通い,お互いに響き合う共生(響生)社会の構築が不可欠であるという勝木先生の想いが表われていました.
私は日本リハビリテーション病院・施設協会会長 斉藤正身先生が塾長を務められる「地域リハ塾」の塾生0期生としても今回の大会に参加させていただきました.これまで協会本部のある東京に集まり意見を交わし合い,時にはオーストラリア研修に行き,またそれぞれの地域で地域リハ活動を継続してきました.その約1年間の活動報告を協会主催のシンポジウムの中で「動き出そう! 明日からできる地域リハビリテーションの実践—地域リハ塾の取り組みから—」というテーマで塾生の代表者が行いました.「地域リハ塾」では,先達の先生方より地域リハ活動継続の重要性,活動継続のための仲間づくりの重要性,地域活動を行っていくうえで地域診断の重要性をあらためて学ばせていただきました.これらの学びは,勝木先生のいわれる響生社会を構築していくうえでも重要なことであると思いました.われわれセラピストは,病院等施設の中で仕事をしていると,そこで活動が完了していると思いがちになります.しかし,患者・利用者が生活しているのは地域であり,セラピスト自身が生活をしているのも地域であり,働いている施設もまた地域の一つです.常に地域社会で生活をしている,仕事をし続けているという思いをもつことで,明日からでも響生社会を構築する一翼となれるのではないかと考えます.
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