連載 作業療法を深める ㊳慢性疼痛
慢性痛診療における作業療法の未来
北原 雅樹
1
Masaki Kitahara
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター麻酔科ペインクリニック
pp.154-158
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202005
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作業療法って何するの?
筆者が大学生だったころ,工学部の友人に工学部の各学科の違いについて尋ねたことがある.そのときの答えの一つが「鉄人28号を創るのが機械工学,鉄腕アトムを創るのが精密機械」というもので,妙に感心したことがある.失礼ながら,たとえ医療職であっても,リハビリテーションに詳しくない者にとって,理学療法と作業療法の違いも,「大きな動作や筋肉を対象としているのが理学療法,細かい動作や筋肉を対象としているのが作業療法」程度の認識かもしれない.
実際に,インターネットで「理学療法 作業療法 違い」をキーワードとして検索してみると,「作業療法士は,日常生活をスムーズに送るための応用的動作のリハビリテーションを行います」,「理学療法士が体の大きな動きのリハビリテーションを行うのに対して,作業療法士は手の動作や指の細かい動作などのリハビリテーションを行う場合が多いです」(日本リハビリテーション専門学校のサイトより)という説明が見つかる.また日本語版ウィキペディアの作業療法の項目では,「作業療法とは,リハビリテーション訓練のうち,主に巧緻性,ADL(日常生活動作),上肢の運動機能,高次脳機能の向上を目的としたもの」とされており,前述の極めて大雑把な認識もあながち間違えではないようにも思える.
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