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●介護予防活動強化推進事業アドバイザーを通じて
現在,地域包括ケアシステムが各自治体で具体的に推進されており,リハ職種を中心に専門職の活用が図られている.特に,地域ケア会議や日常生活総合支援事業においては,すでにかかわっているOTも増えているであろう.
大阪府もこれらの事業を推進するため,介護予防活動普及展開事業に,2016年度(平成28年度)より取り組んでおり,今年度からは介護予防活動強化推進事業と名称変更し,より一層の定着・充実に向けて動いている.筆者自身もこの事業のアドバイザーとして,大阪府下の市町村へ地域ケア会議立ち上げ・定着を支援している.なじみのない地域への支援に入る前には,人口や高齢化率,地域包括支援センター設置数,公共交通機関の利用状況,駅周辺,商業施設等を調べるようにしている.時には,実際に電車やバスに乗ってみたり,車を走らせてみたり,住民視点でスーパーから最寄駅まで歩いてみたりする.それでも,その地域の特性やそこに暮らす住民の価値観等がわからず戸惑うことがある.また,地域ケア会議に出席している助言者と当日の振り返りをすると,日々生活しているにもかかわらず,筆者と同じようにその地域のことが意外にわかっていないと話す専門職もいる.ましてや,その地域に暮らしていない専門職は一般的なアドバイスになってしまい,助言しにくいのではないだろうか.地域ケア会議では,より具体的で明日から使える内容を求められるので,より一層そう感じてしまうのであろう.こうしたすれ違いを避けるために,地域ケア会議の開催にあたっては地域包括支援センターにお願いをして,生活支援コーディネーターや社会資源をよく知る人にできるだけ参加してもらうようにしている.
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