連載 作業療法を深める ㉝ホスピタルアート
医療とアートの実践,その役割
室野 愛子
1,2
Aiko Murono
1,2
1NPO法人アーツプロジェクト
2耳原総合病院
pp.1084-1088
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201860
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今日,医療技術の進歩はめざましく,それは患者やその家族には,ひとつの福音である.
しかし,医療に今,求められているのは,ひとりテクノロジーとしての医療技術だけではない.医療環境は,健康の回復を希求する患者,死の床にあって救いを求める患者,その家族,あるいは,これらの人々に向き合う医療者など,様々な人びとの生と死,これに対する思いが交差する場である.人間の苦悩と不安,悲しみ,そして祈りが織りなされ,人間の原点が問われる場でもある.そこでは,単に傷病の治療(キュア)だけではなく,苦悩や不安を抱える患者やその家族の「いのち」をいたわり,その「こころ」に寄り添っていく,全人間的な「ケア」が求められている.
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