癒しの環境
ヒーリング・アート
山野 雅之
1
1女子美術短期大学
pp.550-551
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902435
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最近,癒しという言葉がごく一般的に使われるようになってきました.そして医療の現場でも,新しく建てられた病院では,患者の精神的ケアを考慮して環境づくりを心掛けた建築も徐々に増えてきています.国内の病院でも,患者の心の癒しの環境づくりを実践していこうとする試みが,少しずつ芽生えてきているといえるでしょう.しかし,まだ数多くの病院では,治療本意で無機質な環境のまま,それを改善することなく患者を迎え入れているのが現状ではないでしょうか.このような病院において,そういった現状を少しでも改善し,癒しの環境づくりに積極的に取り組んでいこうとした場合,その重要な要素の一つとして,ヒーリング・アート(healing art)が挙げられると思います.ヒーリング・アートとは,「患者自身の『治りたい』,『よくなりたい』という気持ちを引き立たせる効果のある芸術」(イミダス1996,集英社刊より)という意味ですが,その中でも,今回特に,絵画による癒しについて,どういった物を飾るのかという点から考えてみたいと思います.
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