わたしの大切な作業・第17回
多摩川を歩く
ドリアン助川
pp.1023
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201845
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作品のアイデアが浮かばなかったり、否定的な感情に飲みこまれてしまいそうになったとき、家のすぐ前を流れる多摩川の土手をひたすら歩くことにしている。
三十代の後半の三年間、ニューヨークでバンドを組んで頑張った。でも、何の結果も得られず、すっからかんになって帰国した。ボクは四十歳で、無職で、子どもがいながら住む家もなかった。それで、都心よりは賃貸料が安い多摩川の土手のそばのアパートを借りたのだった。
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