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特集 司法領域における触法障害者等への支援
—地域での支援①—医療観察法通院処遇による地域支援の実際
The actual situation on the outpatient treatment under the Medical Treatment and Supervision Act for persons who have committed serious criminal offenses in a state of insanity or diminished responsibility
奥田 真由美
1
Mayumi Okuda
1
1地方独立行政法人 岡山県精神科医療センター
pp.127-132
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201594
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Key Questions
Q1:医療観察法通院処遇者の全国調査からみえた課題とは?
Q2:医療観察法通院処遇下の地域支援とは?
Q3:司法精神科領域の作業療法士が行う支援とは?
はじめに
2005年(平成17年)に「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察に関する法律」(以下,医療観察法)が施行され,13年が経過した.2018年(平成30年)10月現在は全国で33カ所の国立・自治体立病院が指定入院医療機関として,556カ所の病院および73カ所の診療所が指定通院医療機関として登録されている1).また,法開始から2016年(平成28年)12月までの間に,2,739名が入院処遇に,564名が通院処遇にという司法判断を下されている2).
安藤ら3)は2013年(平成25年)に全国的な通院対象者の調査を行い,全国の指定通院医療機関388施設から通院対象者1,190名のデータを収集,分析した.その結果,対象行為以前から56%に入院治療歴,79%に通院治療歴があり,精神科医療に接点をもちながら対象行為に至っていることや,地域での処遇開始から1年未満に自殺や医療観察法入院処遇への再入院等の発生率が有意に高いことを報告している.
今回は,岡山県精神科医療センター(以下,当院)の医療観察法通院処遇の支援の現状を振り返りながら,これらの課題についてOTに必要な視点を考察する.
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