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特集 司法領域における触法障害者等への支援
—地域での支援②—医療観察制度における地域支援の実際
Community based support under the Medical Treatment and Supervision Act
佐藤 拓也
1
Takuya Sato
1
1法務省 東京保護観察所立川支部 社会復帰調整官室
pp.133-136
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201596
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Key Questions
Q1:医療観察制度対象者の地域処遇とは?
Q2:医療観察制度の対象者評価と支援のポイントとは?
Q3:医療観察制度対象者へのリカバリー,ストレングスモデルを活用した支援とは?
はじめに
医療観察制度対象者(以下,対象者)は,再発と同時に再他害というイメージが先行しやすいかもしれないが,そこに至るまでの時間経過もさまざまであり,経済的問題を含めた心理社会的ストレスにさらされていることが多い.
対象者の地域生活は,病状面の問題だけでなく,さまざまな課題にぶつかることが多く,医療,福祉,行政の連携した手厚い重層的支援体制が必要である.
筆者は,社会復帰調整官であり,対象者の鑑定入院から処遇終了となるまで,一貫して介入型のケアマネジャーとして対象者支援にかかわっている.医療観察法制度が目的としている「対象者の社会復帰の促進」のためには,一面的にはリスクを冒す過程も必要になる場合もある.鶴見ら1)は「ストレングスとリスクマネージメントの融合」を示唆しており,本対象者へのかかわりには,そのバランスを常に考えながらの支援が要求される.筆者自身,対象者ごとにそのバランスについて悩んでいるのが実際である.
ここでは,医療観察制度対象者が地域でどのような支援を受けているか事例を踏まえ報告する.読者の参考となることを願っているが,個人情報保護の観点から,事例については情報の変更をしている.
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