提言
行動し挑戦する作業療法
松木 信
1,2
Makoto Matsuki
1,2
1一般社団法人山形県作業療法士会
2介護療養型老人保健施設木の実
pp.4-5
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201559
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はじめに
一昨年前の2016年(平成28年)9月25日に一般社団法人日本作業療法士協会(以下,OT協会)の設立50周年記念式典が盛大に挙行された.このことはOT協会にとっての節目となり,また,新たな時代への挑戦への息吹を感じることができた.私も作業療法の職に就いて34年目となっている.職業に就いた当初は,先輩のOTがいるわけでもなく,PTもいない時代である.ある日,リハを行い,歩けるようになって退院した患者さんが,1カ月後に褥瘡をつくって再入院してきた.なぜなのかと思い,看護師の訪問看護に同行をお願いした.すると,ほとんどの患者さんは日の当たらない部屋で布団に寝かされ,嫁さんが1日に3度,部屋に来て食事の世話をしているような状況だった.退院した患者さんの退院後の生活とその環境を目の当たりにして,翌年から,報酬はなかったが訪問リハを行うようになった.
このように,私に限らず1980年代のOTは,現実にぶつかりながら作業療法を展開してきたのではないか.OT協会が設立され50年が過ぎ,新たな時代の中で,私たちOTに求められている作業療法とは何か,それはまさしく少子高齢社会に対しての作業療法を通した行動と挑戦である.「行動し挑戦する作業療法」について,地域包括ケアシステム,地域共生社会におけるOTの役割に触れながら以下に提言する.
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