連載 睡眠を考える・第2回
夢とはなにか
福田 一彦
1
Kazuhiko Fukuda
1
1江戸川大学睡眠研究所
pp.1152-1153
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201477
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夢の生理学的メカニズム
前回(第1回「続?眠りの都市伝説」),REM睡眠のタイミングで起こすと約8割の確率で夢を覚えていると申し上げた.REM睡眠でなぜ夢をみるのかについて簡単に説明しよう.
REM睡眠の中枢は脳の奥深く,古い脳の中にある.そこから脳の上部の,より新しい脳の部分に向けて神経が投射し,脳全体に刺激を送り,脳の中に蓄えられている記憶を活性化することになる.これが夢の材料である.ランダムに刺激された夢の材料同士が,つじつまの合うようにストーリーとして組み立てられて夢となる.このように,夢は記憶を素材としてつくられるが,ランダムに刺激された内容を組み合わせるため,完全にはつじつまが合わなかったり,現実にはあり得ない荒唐無稽なストーリーとなったりするのである.
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