連載 作業療法を深める ㉒アクティブラーニング
思考力や資質・能力を育てるアクティブラーニング—頭の中の可視化(外化)
溝上 慎一
1
Shinichi Mizokami
1
1京都大学高等教育研究開発推進センター
pp.1062-1066
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201449
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アクティブラーニング施策の起源
私は,アクティブラーニングを,「一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での,あらゆる能動的な学習のこと.能動的な学習には,書く・話す・発表する等の活動への関与と,そこで生じる認知プロセスの外化を伴う」と定義してきた.まず,ここから議論を始めよう.
書く・話す・発表する等の「活動」への関与と,認知プロセスの「外化」がここでのポイントである.この定義は,1990年代初頭より米国の大学教育でなされてきた定義を若干修正して,日本に提唱してきたものである.それは,教師から学生への一方通行的で,知識伝達型の講義における“聞く”という受動的な学習を脱却することを目指して,その受動的な学習と相対する「能動的」な学習を措定したものであった.
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