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Key Questions
Q1:障害者スポーツボランティアの教育的効果とは?
Q2:ボランティア活動による学生の変化とは?
Q3:ボランティアを経験する意義とは?
はじめに
日本における障害者スポーツの世界は,1964年(昭和39年)に開催された東京パラリンピックを契機に注目され,“障害者にとってスポーツはリハの一環”という認識から,健常者と同様のスポーツとしてとらえられるようになってきた1).また,競技を極める・競う・楽しむ等,障害者がスポーツに臨む目的もさまざまであり,スポーツを通して障害者が自立や社会参加を実現させることにも貢献している.そのため,障害者のQOLを高めるうえでも,OTの専門性を活かせる重要な領域となっている.また,障害者スポーツに関連する大会開催において,大会の運営や選手のサポートを担うボランティアへの関心も高まっており,障害者への理解を深めること等を目的に,医療職を目指す学生がボランティアに参加するケースも少なくない.
愛媛十全医療学院(以下,本学院)の学生も同様である.本学院は3年制の養成校であり,3年間という限られた養成期間で,医療人としての豊かな見識と人間性を育成することを目指し,学生教育に努めている.学生が障害者と深くかかわりをもつ時期は,主に3年次の臨床実習である.臨床実習では,現場で出会う対象者やOTから,疾患の障害像や評価・治療の技術を学ぶ.臨床実習を迎えるまでに,対象者とのかかわり方やコミュニケーション能力,礼儀等の基本的な社会的スキルを学ぶ機会として,ボランティア活動は教育的意義がある.
本稿では,本学院が携わってきた障害者スポーツ関連のボランティア実績を紹介するとともに,ボランティア活動が学生にどのような影響を与え,どのような教育的な効果があったのかを述べる.
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