Japanese
English
研究
重大な他害行為に及んだ精神障害者が退院後の生活に動機づけられていくプロセス
A forecasting process for one's life among people who need forensic psychiatry
冨澤 涼子
1
,
繁田 雅弘
2
Ryoko Tomizawa
1
,
Masahiro Shigeta
2
1国立精神・神経医療研究センター
2東京慈恵会医科大学
キーワード:
医療観察法
,
リカバリー
,
希望
Keyword:
医療観察法
,
リカバリー
,
希望
pp.369-375
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201258
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Abstract:重大な他害行為に及んだ精神障害者が,入院治療中に退院後の生活に動機づけられていくプロセスを明らかにすることを目的に,質的研究を実施した.医療観察法指定入院医療機関に入院中の20〜60歳までの統合失調症と診断された男性対象者8名に半構造化面接を実施し,修正版Grounded Theory Approachにて分析した.その結果,対象者は先行きの見えない段階から,新たな自分自身の気づきを得て,自身の価値に基づく今後の希望を見いだしていた.だが同時に現実的な不安も混在し,同じ過ちを繰り返さないために安定した生活も希求していた.対象者自身で選択したサポートには重きを置く一方,周囲から押しつけられた生活には低い動機づけを示した.今後は,対象者の希望を活かした生活スタイルを模索し,かつ,多職種チーム会議のあり方を工夫して対象者の自己決定を促すことで,退院後の医療への不遵守を防止できる可能性が示唆された.
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