増大号特集 精神科クリニカル・パール—先達に学ぶ
第1章 精神科面接の先達
他害行為の治療は可能か
青島 多津子
1
1溝口病院
キーワード:
犯罪の治療
,
treatment for crime
,
犯罪と精神疾患
,
crime and psychopathy
,
精神科医の覚悟
,
determination of psychiatrist
,
精神鑑定
,
psychiatric evaluation
Keyword:
犯罪の治療
,
treatment for crime
,
犯罪と精神疾患
,
crime and psychopathy
,
精神科医の覚悟
,
determination of psychiatrist
,
精神鑑定
,
psychiatric evaluation
pp.588-594
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206336
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
clinical pearl
・人は精神疾患が原因で他害行為を起こすのではない。それまでに培ってきた思考および行動パターンによって事件に至るのだ。
・患者は担当医が期待する答えを選ぶ傾向がある。「壺に嵌まった診療」と感じたときには患者を誘導しているかもしれない。
・主治医は事件を起こした人の心理的共犯者になることによって,患者と事件を語る土俵に立つ。
・人と人が影響を及ぼし合うとは,互いが巻き込み,巻き込まれることである。患者に巻き込まれることを恐れる必要はない。
・治療とは患者が自分自身で「心の黒い石」を取り除いていく作業を支援することであって,治療者が「患者の心の黒い石」を取り除くことではない。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.