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特集 がんと作業療法—5年先を見据えた取り組み
高齢者のがんにおける作業療法と今後の展望
Occupational therapy for elder cancer patients in Japan and future prospects
髙田 明子
1
Akiko Takata
1
1信州大学医学部附属病院
pp.326-329
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201244
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Key Questions
Q1:高齢がん患者の現状は?
Q2:高齢がん患者の作業療法とは?
Q3:今後のわが国の高齢がん患者対策とOTの活躍は?
はじめに
細胞における遺伝子異常の蓄積が原因で発病することが多い「がん」は,がんの種類(がん種)によってその傾向は異なるものの,一般には高齢者に多い疾患である1).
実際の臨床で,がんの患者のリハに携わってみると,がん種によりOTのアプローチが異なることは明白であるが,さらに,対象者の年齢による特性から,評価や観察を基に適切な介入やかかわり方が必要とされる.高齢がん患者に対する作業療法は,高齢者に対してこれまでに培ってきた作業療法の知識と技術の集積が活かされる領域である.
急激な高齢化社会が到来しているわが国において,高齢者のがんを考えることは,きわめて喫緊の,かつ重要な課題であるといわれている1).2015年(平成27年)12月に打ち出された「がん対策加速化プラン」2)のがん研究の項でも,2020年ごろまでの目標に,高齢者のがんに対しても研究開発に対する支援を充実させることが記載されている.
まず,高齢がん患者を巡る問題点と今後5年間の施策を概観し,地域包括ケアを踏まえながら,高齢がん患者への作業療法について考えてみたい.
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