連載 ユーモアと笑い・第7回
いろいろなユーモア
柏木 哲夫
1
Tetsuo Kashiwagi
1
1淀川キリスト教病院
pp.250-251
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201218
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リーダーのユーモア
有名人でユーモアのセンスをもった人は多い.米国のレーガン元大統領はその一人である.彼は毎年の一般教書演説をする際,はじめにユーモアに富んだ話をして,皆を笑わせてから本題に入ったという.「はじめに笑いをとってから本題に入る」というのは,彼だけでなく,多くの人がしていることである.笑いは人の心の扉を開く.私も講演のはじめに笑ってもらえるような小話を披露することが多い.笑いで聴衆の心の扉を開き本題に入ると,伝えたいことが伝わりやすいように思う.問題は笑いの部分だけが残り,本題はほとんど心に残らない場合があることである
レーガン元大統領の同時通訳者であった村松氏の著書1)を読むと,レーガン氏は,冒頭のユーモアを考える人を有給で別に「雇っていた」という.一般教書の内容を伝え,それにつながるようなユーモア話をつくらせたという.彼はそれほどユーモアを大切にしていた.そうすることによって,自分自身でだんだんとユーモアのセンスを身につけていったのではないかと思う.
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