増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第2章 上肢・手の実用的機能向上—各手技・手法の考え方と具体的実践
8 —ボツリヌス療法:小児—小児におけるボツリヌス治療の活用
須貝 京子
1
Kyoko Sugai
1
1大阪発達総合療育センター
pp.707-710
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200988
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小児脳性麻痺児へのボツリヌス治療
小児へのボツリヌス治療は,日本では2009年(平成21年)2月「2歳以上の小児脳性麻痺における下肢痙縮に伴う尖足」への適用が承認されてから広まった.また,2010年(平成22年)10月「上肢痙縮・下肢痙縮」への適用が承認されたことで,上肢治療の一つとして広がりはじめた.
ボツリヌス治療の効果は個人差が大きく,施注筋の緊張状態,施注部位,施注量等により違うが,早ければ施注後2〜4日後,おおよそ2週間程度でその効果が現れる.そして,2〜4カ月くらいで痙縮減弱の治療効果が薄れるため,期間内の集中的リハの重要性は周知されている.対象が小児の場合,目標設定,目標達成に向けた評価の重要性とともに,目標が発達的にこれから獲得していく動作(活動)であることも多く,目標達成のためには活動を通じた練習,まさに「作業療法」が重要となってくる.
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