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Key Questions
Q1:一般介護予防事業でのOTの役割とは?
Q2:住民運営の通いの場でのOTの役割とは?
Q3:住民の「したい」に立ち会うとは?
はじめに
一般介護予防事業は,過去の政策の反省から,元気高齢者と虚弱高齢者を分け隔てないこととしている.また要支援者等も参加できる住民運営の通いの場の充実を目指すことが明記され,住民の主体的かつ自律的な活動が期待されている(図11)).さらに地域リハビリテーション活動支援事業が新設され,「訪問」,「通所」,「住民運営の通いの場」,「地域ケア会議」へのリハ専門職の参画が期待されている1).地域の介護予防を機能強化するため,地域包括支援センターと共に自立支援を推進してほしいという期待である.一般介護予防事業の詳細については他稿にお任せするが,リハ専門職への国からの期待値が非常に高いことは容易に読み取ることができる.
一方,最近筆者は各都道府県の理学療法士会,作業療法士会,言語聴覚士会の3団体で構成する協議会が主催する講演会での講師依頼を多くいただく.テーマは「介護予防事業(または地域支援事業)におけるリハビリテーション専門職の役割」である.国からの期待値にしっかり応えようとする職能団体としての意気込みとやる気を感じている.そして3団体の役員との意見交換では,必ずといっていいほど期待値に応えられなかったときの危機感の話となる.また,地域活動に興味・関心を寄せるリハ専門職がもっと増えてほしい,積極的に参画してほしいという要望を聞くことも多い.
一般介護予防事業では,本来リハ専門職がもつ,「個別支援直接的アプローチ」手法だけではなく,「地域支援間接的アプローチ」が求められている.今まであまり経験のない領域だと感じられることが,参画の阻害要因となっていることが推察される.
医療機関や施設から自宅に帰るまでを保障するだけがリハ専門職の職能ではない.一般介護予防事業への参画は,帰った先の人,作業,環境にかかわることのできるチャンスを手にしているのである.筆者の取り組みから,「一歩前へ」,そう感じてもらえたら幸いである.
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