講座 薬物治療のアップデート・第6回【最終回】
てんかんの診断と薬物治療
西田 拓司
1
Takuji Nishida
1
1静岡てんかん・神経医療センター
pp.1398-1404
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200788
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CHECK POINT
□てんかんの診断はどのように行うのか?
□てんかんの薬物治療の基本は?
□新規抗てんかん薬にはどのようなものがあるのか?
てんかんとは
てんかんは有病率が1%近く,頻度の高い神経疾患である.2005年に国際抗てんかん連盟(ILAE)と国際てんかん協会が発表したてんかんの定義において,てんかんは脳の病気であり,てんかん発作が繰り返し起こる素因があること,そして神経学的,認知的,心理的,社会的帰結を示すことを特徴とするとされた.従来,てんかんのある人には,身体的,精神的,心理社会的な併存障害や問題が多いことが知られており,作業療法をはじめとするリハが行われてきた.2005年のてんかんの定義により,てんかんはてんかん発作のみならず,その他の併存障害や心理社会的な諸問題も治療・支援の対象であることが明確に示されたといえる.つまり,作業療法等,リハは,てんかんの薬物療法や外科治療と同じく,てんかん医療の重要な位置を占める.てんかんのリハを担うOTは,てんかんの病態,診断,治療の知識を習得したうえでリハを行う必要がある.
今回,てんかんの診断,薬物治療について概説し,特に近年,本邦で使用可能となった新規抗てんかん薬について述べる.
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