Japanese
English
特集 てんかんの基礎と臨床
2.成人てんかんの薬物治療
Treatment Guidelines for Epilepsy
井上 有史
1
Yushi Inoue
1
1静岡てんかん・神経医療センター(てんかんセンター)
1National Epilepsy Center, Shizuoka Institute of Epilepsy and Neurological Disorders
キーワード:
adult epilepsy
,
international classification
,
treatment guidelines
,
antiepileptic drugs
Keyword:
adult epilepsy
,
international classification
,
treatment guidelines
,
antiepileptic drugs
pp.195-201
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100024
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はじめに
てんかんは有病率0.5~1%の頻度の高い神経疾患である。70~80%は何らかの薬物で寛解にいたるが,残る20~30%は難治に経過する。いずれの場合も治療は長期にわたるため,生活の質を損なわないような薬物の選択・調整が必要である。寛解期は当然ながら,発作が反復している時期でも,発作症状そのものが診察時に生じることは極めて稀なため,診療はその時点での治療目標をとらえがたい。しかし,患者にとっては「おこるかもしれない発作」は生活のなかで大きな位置を占めており,仮想の発作に対する医師の指導の影響力は大きい。医師には患者の人生を視野においた公正な診療が求められる。
薬物治療においては,有効性(efficacy),耐容性(tolerability),安全性(safety)が問題となる。その前提として,診断の正確さが求められる。本稿では,主に成人てんかんの薬物治療について,現在における標準的な指針を展望した。
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