徹底分析シリーズ 手術室の放射線防護できていますか?
自分そして家族を守るために—その献身の先にある現実を見据えてみませんか
長坂 安子
1
Yasuko NAGASAKA
1
1東京女子医科大学 麻酔科学分野
pp.1068-1070
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202374
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日本はアジアのそして世界の一流として表現されることがある。そして,欧米諸国と並んで,最先端の医療が提供できる数少ない国の一つとされる。だが,本当に一流と言えるのだろうか。
日本は国土の75%を山岳地帯が占め,過疎化地域や離島を含む全国の津々浦々に病院と診療所が点在する。集約化できていない医療と揶揄されることもあるが,実は病院数(人口1000人あたり13施設),ベッド数(164万1407床)ともに世界でもダントツの1位1)であり,それに伴いCT保有数(人口100万人あたり101.3台,OECD平均の約4倍)とMRI保有数(人口100万人あたり46.9台,OECD平均の約3倍)もこれまた最多を誇る(図1)2)。しかも,国民皆保険という贅沢さだ。このように医療へのアクセスが良いとされる点は,患者にとっては最高な国だろう。しかし,医療を支える労働者の環境が必ずしも優れているとは言えないのもこの国の特徴であり,物的な豊かさは,医療従事者の絶え間ない努力と献身が土台となっている。
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