Japanese
English
症例報告
パラレルな場における血液がん患者に対する作業療法の有効性
Effectiveness of Occupational therapy in parallel space for hematological cancer patient
池知 良昭
1
,
山名 翔之典
2
,
三好 美智代
1
,
野田 有里奈
1
,
松本 雅光
1
Yoshiaki Ikechi
1
,
Shonosuke Yamana
2
,
Michiyo Miyoshi
1
,
Yurina Noda
1
,
Masamitsu Matsumoto
1
1香川県立中央病院
2四国中央医療福祉総合学院
キーワード:
血液がん
,
作業療法
,
パラレルな場
Keyword:
血液がん
,
作業療法
,
パラレルな場
pp.1055-1059
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200709
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Abstract:化学療法中の副作用や心理面の問題により活動性が低下していた,血液がん患者A氏の作業療法を担当した.作業療法ではA氏にとって重要な作業である「華道」と「書道」を導入した.血液がん患者は疾患の特性上,病室に持ち込める物品や作業環境が制限されているため,造花づくりとペーパークラフトにて籠づくりを行い,活動性向上と気分転換,心理的支持を図った.当初は個別的なかかわりであったが,作業療法をパラレルな場へと展開することで,作業を通じて同室内の他患者とのコミュニケーションが生まれ,ピア・サポートの関係性が生じ,A氏より「他患者と一緒に食事したい」と自発的な言動がみられ,活動性が向上した.
血液がん患者に対する作業療法の専門性は,患者にとって重要な作業を,限られた環境の中でいかに遂行するかを考えること,患者の個人因子や心理的状況等に応じ,作業を通じてパラレルな場へと展開し,ピアとの出会いにつなげることであると考えた.
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